株式会社クラウドワークス

毎月の電話応対時間を3人日分も短縮。より深く登録者に寄り添う時間を捻出できた

毎月の電話応対時間を3人日分も短縮。より深く登録者に寄り添う時間を捻出できた

フリーランス人材を中心とした人材マッチングサービスなどを提供する株式会社クラウドワークス。その中でも特にエンジニアやデザイナーといったハイスキルIT人材にフォーカスした「クラウドワークス テック」でnocall.aiの活用が始まっています。ここでは、クラウドワークス エージェント本部 マッチング推進部 キャリアアドバイザーグループ マネージャーの東亮太さまと、同グループの八尾一徹さまに、その導入背景と成果についてお話しいただきました。

nocall.aiなら登録者を失望させない体験を提供できる

── まずはクラウドワークス テックがnocall.aiをどういった用途にお使いになられているのかを聞かせてください。

東さま:クラウドワークス テックの新規登録者で登録初期の連絡が滞っている方への追加連絡と、過去登録者に向けた現況のヒアリングに使っています。

── どのような背景からnocall.aiを導入いただけたのでしょうか?

東さま:クラウドワークスは、2025年4月に社内AI活用を推進するAX戦略室を立ち上げるなど、社としてAI活用を推進していく方針を掲げています。私自身もその一員として活動している中で、AIツールを用いた生産性向上の取り組みのひとつとしてnocall.aiの導入に踏み切りました。

株式会社クラウドワークス 事例画像 02

── 当時解決したかった課題はどのようなものでしたか?

東さま:ありがたいことにクラウドワークス テックでは毎月、多くの新規登録や案件のご相談をいただいています。しかし、このままではキャリアアドバイザーが全ての登録者に時間をかけて対応していくのが難しくなることが目に見えていました。そこで今後、より多くの方々に、より丁寧に対応していくための時間を捻出すべく、ある程度定型化されている架電業務の一部をAIで自動化しようと考えたのです。

── 架電業務の自動化を実現するソリューションはnocall.ai以外にも存在します。それらの中から私たちのサービスを選んでいただけた理由を教えてください。

東さま:実は、nocall.aiを試す前に複数社のソリューションを検討したことがあります。ただ、そちらではサービス品質という点で自分たち自身が納得いく活用を実現できないと感じていました。特に懸念だったのが、明らかに機械的で違和感のある音声対応を体験させてしまうことでした。

そうした中、社内の仲間からnocall.aiが良いらしいという話を聞いたのが導入のきっかけになります。

── nocall.aiはどのような点をご評価いただけたのでしょうか?

東さま:デモンストレーションを見せていただいた際、会話音声が自然なことに驚かされました。もちろん、若干のラグはあるものの、機械と話している感じがほとんどなかったんです。これならお客さまにも不快な思いをさせることはないだろうと感じました。また、人手を介さず、AIによる音声のやりとりで全てが完結するところも高く評価しています。

1か月あたり約3人日もの時間を生み出すことに成功

── クラウドワークス テックで取り組んだ架電業務の一部自動化について、もう少し詳しく教えていただけますか?

東さま:クラウドワークス テックでは新規登録後、職務経歴書を提出していただくお願いをしています。nocall.aiに任せたのはそのお願いへの対応が滞っている方に架電し、提出を促す業務です。また、そのフローに付随して、nocall.aiにスケジュール確認・調整までを行わせ、キャリアアドバイザーとの早期面談を設定させるようにしています。

さらに、案件探しを終了してから数か月が経過した方を対象に、改めて現在、どういった状況なのかを伺う業務もnocall.aiで行っています。ここで「案件を探している」あるいは「良い案件があるなら話を聞きたい」という意向が確認できた場合、改めて最新の職務経歴書を提出していただいたり、希望条件を伺ったりという対応をしています。

── これらの取り組みにおいて、クラウドワークス テックならではの工夫はありますか?

東さま:社内で持っている登録者のデータベースを元に、定期的に架電リストのスプレッドシートを更新するフローを組みました。Google Apps Script(GAS)でnocall.aiのAPIから自動架電させ、架電後の、登録者へのメール送信や、Googleカレンダーを使ったスケジュール調整なども実現しています。

この仕組みは8月からPoC(概念実証)を始め、9月から運用を開始しているのですが、途中からは電話が繋がらず折り返しいただいた場合についてもnocall.aiで対応できるようにするなど、短い期間で利便性も増しています。

── 一連の仕組み作りにおいて、nocallの貢献がありましたらお聞かせください。

東さま:当初から、なるべく人の手を介さない仕組みにしたいという思いがあり、それをnocallに相談したところ、こういうやり方が良いのではないかとご提案いただきました。実際の仕組みの構築にもかなりお力添えいただいており、感謝しています。

八尾さま:こんなことをやってみたいという相談に親身に対応してくださるのが心強かったですね。機能追加の依頼をすると「これくらいの時間をいただければできますよ」と具体的な期間を提示してくださるので、スケジュールを組みやすかったです。

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── PoCを含めると導入からすでに数ヶ月が経過しています。nocall.ai導入の成果、手応えはいかがでしたか?

東さま:キャリアアドバイザーの時間を作るという観点では非常に満足できる成果を得られました。1か月のテスト期間中に333回の架電を行ったのですが、その平均通話時間を4分とすると、約22時間(約3人日)もの時間を生み出せたことになります。

また、転換率(コンバージョン率)も人間が電話をかけた場合とほとんど同水準を保っており、数をかけられるというメリットと併せれば、こちらも期待以上の成果を上げたと言ってよいでしょう。

八尾さま:作業効率の改善という観点では、電話終了後、お話しした内容に合わせた確認メールを自動で生成・送信してくれるのがありがたかったですね。登録者との信頼関係構築に繋がるほか、キャリアアドバイザーの作業時間削減にも貢献していると考えています。

業務効率改善だけでなく、登録者の満足度向上も目指す

── 一定の成果を確認できた今回の取り組みですが、今後、どのような改善を考えていらっしゃいますか?

八尾さま:電話でのやり取りをより詳細にレポート化できるようになると、その後の対応を、さらに登録者の状況にコミットしたものにできるので、まずはそこから手を付けていきたいですね。また、架電時のスクリプトやプロンプトについても細かく改善していき、信頼感や親近感を感じていただけるようにすることを目指しています。例えば弊社からのメールに反応いただいた方には「いつもメールを見ていただいてありがとうございます」といった一言を入れることで、一律な対応でないことを感じていただけるのではないかなと。

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── 今回の取り組み以外にnocall.aiの活用を拡大していただける可能性はありますか?

東さま:もちろんあります。現在は限定された範囲でしか利用していませんが、今後は稼働中のフリーランスの方々とのやり取りにも活用を広げていく可能性を見出しています。例えば、稼働実績の入力を忘れている方へのリマインドなどが考えられますね。

さらにクラウドワークス テック以外のサービスにも似たような課題がありますから、そこでも活用できるのではないかと思っています。

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── 最後に今後、nocall.aiに期待していることをお聞かせください。

東さま:現在はGASなどを利用して実現しているワークフローの構築を、よりユーザーサイドで自由に構築、カスタマイズできる環境の提供を期待しています。それによりクラウドワークスのバリュー(行動規範)の1つである「Be Agile(前提を排除し柔軟に考え、得た事実から仮説を立ててすぐに試していく)」を実践しやすくなり、よりスピーディな対応を実現していけるものと考えています。そうした未来の実現に向けて、今後とも共に挑戦していきたいと思います。

導入事例 | nocall.ai